アメリカを知る

『はだいろ』は何色?24色の肌色のクレヨン、クレヨラの『The Colors of the World』

アメリカ、ニューヨークのキンダーガーデンに通っている息子。

先日、自画像(と行ってもYouTubeを見ながら、その人を真似て描いたらしいので、本当の自画像ではありませんが・・・)を描いてきました。

そのとき、Art(美術)の先生は、息子の肌の色を表現するために、2色の色をくれたそうです。

ラベルがなかったので、正確な色は分かりませんが、クレヨラのPeach(ピーチ)とOrange Yellow(オレンジイエロー)に近い色でした。息子は、PeachをベースにOrange Yellow系の色も使い、肌の色を2色で再現していました。

完成作品を見た私は、上出来!と思ったと同時に、やはりアメリカではアジア人はイエローなんだ、という思う気持ちが湧いてきました。

私が子供の頃は、自分の肌の色を塗る時には、迷いなく、肌色(はだいろ)のクレヨンや色鉛筆を使っていましたが、改めて、人の肌の色や目の色の捉え方は人により違う、と痛感しました。

肌の色は人それぞれ違うのです。同じ人の肌の色でも、自分で思う色と、他の人が思う色とが違うこともあるのです。とても複雑でデリケートな問題でもあります。

そんなことを考えている最中、ふらりと立ち寄ったクラフトショップのマイケルズ(Michaels)で、クレヨラ(Crayola)の新しいクレヨンシリーズ『The Colors of the World』を発見しました。

今日は、『はだいろ』は何色?24色の肌色のクレヨン、クレヨラの『The Colors of the World』 についてご紹介します。

日本から『はだ色』が消えた時期

  • 日本では、1999年〜2000年にかけて、大手鉛筆・クレヨンメーカー(ぺんてる、株式会社トンボ鉛筆、株式会社サクラクレパス、三菱鉛筆株式会社)が『はだ色』という名称を『ペールオレンジ』や『うすだいだい(Light Orange)』に変更

ー 参照サイト: 三菱鉛筆株式会社 – はだいろがなくなった

クレヨラ(Crayola)のはだ色(Skin Tones)

クレヨラ(Crayola)とは

クレヨラは、アメリカで生活していれば、スーパーなどで必ず目にしたことがあるである大手ブランドです。

クレヨラ(Crayola)とは
  • ホームページ: Crayola
  • クレヨン、ペン、絵の具などを扱う、アメリカを代表する画材メーカー
  • 全米5箇所にCrayola Experienceというテーマパークを展開し、学校のサプライリストでは「クレヨラのクレヨンや色鉛筆を持ってきてください」と記載があるほどアメリカでは浸透しているブランド

クレヨラは1903年に8色(くろ、ちゃいろ、オレンジ、むらさき、あお、みどり、あか、きいろ)を発売しました。

その後も様々な色を発表し続け、現在では、120色もの色があるようです。

色のネーミングがとてもユニークで、日本で育った私には名前からは想像がつかない色も沢山あります。


クレヨラのはだ色クレヨン

クレヨラのはだ色のクレヨン
  • Multicultural Colors: 1992年、文化の多様性を尊重して発売された、多文化(Multicultural)をテーマとした8色のはだ色クレヨンセット
  • The Colors of the World2020年5月、さらに高まる多様化のニーズを受けて発売された、24色と32色のはだ色クレオンセット

Multicultural Colors

Multicultural Colorsは、1992年に発売された8色のはだ色のクレヨンセットです。

多文化クレヨンの色
  • アプリコット(apricot)
  • バーント シェンナ・赤茶色(burnt sienna)
  • マホガニー(mahogany)
  • ピーチ(peach)
  • セピア(sepia)
  • タン・黄褐色(tan)
  • 白(white)
  • 黒(black)

 

白と黒は肌の色を表すわけではなく、他の色と混ぜて使うために同梱されているとのこと。

日本から『はだいろ』がなくなる少し前に発売されたようです。


The Colors of the World

『Multicultural Color』では多様性を謳っていましたが、8色で世界の人たちの肌色は分類しきれない、自分の肌とあう色がないという声も多かったようです。

そのような声を受けて、2020年5月、『The Colors of the World』シリーズが発表されました。

The Colors of the Worldシリーズでは、Almond、Rose、Goldenで色合いが表現されています。

色自体の名前も、その色を使用する人たちが楽しくなるように、十分に配慮されたネーミングになっています。

クレヨンだけでなく、色鉛筆やペンにも同シリーズがあります。

世界の色クレヨンの色
  • 肌を表すための色(Skin Tones)として、8色を大幅に上回る24色セット
  • 瞳や髪の毛の色も表現できるように、さらにバリエーション豊かな32色セットもあり

 



ターゲットのダラースポットでも同じようなクレヨンのシリーズが売られていました。

Diversity & Inclusion (D&I)

クレヨラがこのような色を発表した背景には、近年、アメリカで重要視されている、Diversity & Inclusion (D&I)=多様性を受け入れる、という考え方があります。

日本よりも人種が多様なアメリカ、ニューヨークでは、常に多様性を受け入れ、尊重することが求められています。

小学生に上がる前のプレスクールやキンダーガーデンでも、自分の家族構成や家族の行事、他の子供たちの家族構成や家族の行事などをお互いにはなしたり、みんな違ってみんな良い、ということが学べるような本(例えば、Todd Parr著の”It’s Okay to Be Different”など)を読んできます。

様々な国、地域、人種の人が住むアメリカ、ニューヨークにいると、みんなが違うことが当然なのです。



まとめ

今日は、『はだいろ』は何色?24色の肌色のクレヨン、クレヨラの『The Colors of the World』 についてご紹介しました。

私が子供の頃、肌色は一色、みんな一緒の肌の色だと思っていました。私は色黒ですが、使う色は肌色。クレヨンには、『はだいろ』が一色だけだったので何の疑問も持ちませんでした。

でも、『はだいろ』は決して一色ではありません。人の肌の色、瞳の色はカラーパレットでは決められないのです。自分が思っている色と他人から見た色もきっと違います。クレヨラが出した24色を見ても、自分の肌の色がないと感じる子供もいるかもしれません。

でも、クレヨラの『The Colors of the World』をみて、自分の肌の色に近い色はとてもきれいな名前なんだ、自分の肌の色に近い色はこんな風に表現できるんだ、お友達の色はこんな色かな、と感じ、考えられるきっかけになるのではないかと思います。

みんな違って、みんな良い。そんな当たり前のことが、当たり前になる世の中になりますように。子供たちの生きるこれからの未来が、優しい世界でありますように。そう願わずにはいられない、クレヨラの『The Colors of the World』との出会いでした。


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