アメリカでも、コロナウィルスの流行により、多くのハロウィンイベントがキャンセルとなっています。
そんな中、コスチュームを来て楽しめる貴重なイベントがあったので、参加して来ました。
今日は、ニューヨークのロングアイランドにあるクレイドル航空博物館(Cradle of Aviation Museum)で催されたSpooky Science & STEM Halloweenというイベントについてご紹介します。
STEM教育になるイベントで、サイエンス好きの子供におすすめの内容でした。
STEMとは
- S:Science
- T:Technology
- E:Engineering
- M:Mathematics
それぞれの頭文字を取った言葉で、21世紀の社会に対応していけるように、科学・技術・工学・数学に主眼を置いた教育方針のことです。アメリカでは、知育玩具のうたい文句や、サマーキャンプやイベントの方針などにも良く使われていて、幼児教育の段階から頻繁に目にします。
近年ではSTEMにArtも追加されたSTEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics)という言葉もあります。Artには、Visual Arts(視覚芸術)、Language Arts(国語)、Music(音楽)などが含まれ、想像力や創造力にも重点を置いた教育方針です。
息子の学校ではArtsだけでなく、Environment(環境)も加わった、ESTEAM(Engineering, Science, Technology, Environment, Arts, Math)という発展学習の授業があります。
Cradle of Aviation Museum (クレイドル航空博物館)とは
- 住所:Charles Lindbergh Blvd, Garden City, NY 11530
- ホームページ: https://www.cradleofaviation.org/
- 入場料:大人16ドル、子供(2-12歳)とシニア14ドル、1歳以下は無料(今回のイベントは一律15ドル、博物館のメンバーシップがある場合は10ドルでした)
- 概要:ニューヨークのロングアイランドのガーデンシティ(Garden City)にある、航空機と宇宙をテーマにした博物館。熱気球や戦闘機、アポロ計画の月面着陸船(Lunar Module)など、75機の航空・宇宙関連の乗り物が展示されています。
Cradle of Aviation Museum (クレイドル航空博物館)のおすすめポイント
クレイドル航空博物館は、航空機はもちろん、宇宙、特にアポロ計画、月面着陸が好きな方にはとてもおすすめの博物館です。
本物の月面着陸船(Lunar Module)
本物の月面着陸船は、アメリカ広しといえども、3箇所でしか見ることができません。
フロリダのスペースセンター(Kennedy Space Center)、ワシントンD.C.の国立航空宇宙博物館(Smithsonian National Air and Space Museum)、そして、ニューヨークロングアイランドのクレイドル航空博物館です。航空機メーカーのグラマン社(Grumman)の本社がロングアイランドであることから、置かれているようです。
ちなみに展示されているのは、Grumman Lunar Module LM-13で、中止となったアポロ18(Apollo 18)ミッション用に作られたものです。
本物の月面着陸線シュミレーター
初めて月面を歩いたアポロ11の宇宙飛行士たちも実際に使用していた本物の月面着陸船のシュミレーター(Grumman Lunar Module Simulator)や、アポロ宇宙船が、地球に戻ってきて海面に着陸する際に使用する司令船・コマンドモジュール(Rockwell Command Module 002)が展示されています。
消防士博物館と隣接
隣接しているナッソー郡消防士博物館・教育センター(Nassau County Firefighters Museum and Education Center)に行くと、年代物の消防車なども見ることができます。
入場料は別ですが、わずか5ドル/人で、消防車やパズルなどで遊んだりできるので、おすすめです。
STEMハロウィンイベントの内容
フランケンシュタインの手(Frankenstein Hands)
ゴム手袋に色水を入れた状態凍らせた氷の手と塩、プラスチックフォークが渡されました。
氷に塩をかけると、溶けやすくなる性質を利用した実験です。紙コップに入っている塩をかけて、フォークで砕くと、中から小さなおもちゃが出てきます(が・・・氷が大きすぎて時間内には砕けなかったため、ジップロックに入れて持ち帰りました)。
気味の悪い大きな手の氷を見れただけでも面白かったです。家に帰ると、長男は、早速同じものを作っていました。
キャンディカタパルト(Candy Catapults)
太めの木製スティックとゴム、プラスチックスプーンを使って簡単なパチンコを作りました。
スプーンに小さな虫や蜘蛛のおもちゃやキャンディを乗せて、飛ばして、カゴに入れようというゲームです。
軽いものは遠くに、重たいものはなかなか遠くには飛びません。長男はこのアクティビティが1番気に入ったようです。
お化け退治(Boo-Be-Gones)
ペーキングソーダと色のついたお酢、プラスチックスプーン、ペーパータオル、小さなジップロックが渡されます。
ベーキングソーダとお酢を混ぜると、しゅわしゅわと炭酸ガスが発生します。その化学反応を利用して、お化け退治の爆弾を作って、飾ってあるお化けにぶつけてお化けを退治しようというゲームです。
ベーキングソーダとお酢を使った実験はアメリカではとてもポピュラーなようです。息子たちもプレスクールで同じ材料を使って、火山の噴火(Volcano)やジャックオーランタンの顔から泡が吹き出ている実験を行ったようです。
未来を予言(Predicting the Future)
規則性のあるパターンから次のカードの絵柄を予想しようというゲームです。
簡単なパターンだったので、3歳の次男も楽しく参加できました。
最後には、Fortune Teller Fish(フォーチュンテリングフィッシュ=未来を予言できる魚)をもらいました。この魚は使い捨てオムツと同じ素材、ポリアクリル酸ナトリウム(高吸水性高分子の一種)から出来ているため、手のひらの水の分子を見つけると結合して、魚の形が変わるのです。その性質を利用して、例えば頭の部分だけ曲がったら、あなたはヤキモチ焼き。もし全体がカールするように曲がったら、あなたは情熱家というようなメッセージになっています。
ケプラーの惑星探索(Kepler Planet Hunt)
懐中電灯を持って、明かりを消した博物館の中を探索し、壁などに貼ってある惑星を見つけるゲームをしました。
いつもと様子の違う博物館の中に入れて、面白かったです。
STEMハロウィンイベントのコロナ対策
- マスク必須:コスチュームのマスクはマスクとして認められない。
- 入場の際も6 feet(約180cm)の間隔を空けての入場:中に入ってからもグループごとに間隔を空けて待機。
- 入場の際にはハンドサニタイザー:入り口にハンドサニタイザーが置いてあり、1人1人消毒するように言われました。
- 2〜3グループずつで5つの催しものを順番に移動:大人数でかたまることがないように誘導されました。
- 鉛筆やスプーンなど使用するものの使い回しはなし:使用する鉛筆は事前に1人1本配布されました。スプーンや紙皿、テーブルクロスなども使用後はゴミ箱へ。
まとめ
これからの社会で重要になっていくSTEMを柱にした、クレイドル航空博物館(Cradle of Aviation Museum)のSpooky Science & STEM Halloweenイベントをご紹介しました。
対象が小学校(KindergartenからGrade 5)となっていたので、簡単な実験が多かったですが、ハロウィンに絡めたものになっていて、子供たちの印象にも残った様子。コロナ禍でも工夫をこらせばこんなイベントが実施できることに感動しました。お散歩以外全く外に出られなかった時期を振り返ると感慨深いものがあります。
そして、この日改めて思ったのは、マスクをしたまま大きな声で説明することの大変さ。博物館の方もそして毎日それを行ってくれている学校の先生たちに改めて感謝の気持ちが生まれてきました。毎日この状況で授業を受けている子供たちも本当に偉い・・・一刻でも早く、マスクをしないで自由に動き回れる日がきますように。