ニューヨークには本当に多くのランナーがいます。 別にランニングイベントがなくても朝早くからセントラルパークにやってきて、黙々と走っているランナーを見かけます。
ニューヨークシティマラソンに参加する方、健康に気をつけている方、それぞれのランナーが目的を持って走っているんでしょうね。
ニューヨークにはランナーのモチベーションを高めるため、またランニングの楽しさを知ってもらうため様々なランニングコミュニティがあり、独自のランニングイベントや活動が行われています。
もちろんNPO団体などもあるので、運営するのも簡単ではなくボランティアの力に大きく頼っているところがあります。
私も普段ランニングイベントに参加させてもらっている身なので、ランニングコミュニティに感謝の気持ちを込めて、ランナーを支えるボランティアに参加させてもらいました。
セントラルパークでの定番のおすすめランニングボランティアをしてみよう
まずは「どうやってボランティアを探すのか」ですが、ランニングイベントを行っている団体のサイトに登録するとボランティア一覧が閲覧でき、またメールにボランティア情報が自動的に届きます。
今回は一番イベントを参加しているNew York Road Runners(NYRR)のボランティアを見てみましょう。
【ボランティア登録の仕方】
NYRRのサイトに登録すると自分のアカウントページが作成されます。左にカテゴリーが並んでいて、そこに「Volunteer」という項目があります。
クリックするとボランティアページへ。近々行われるレースでボランティア可能のイベントが一覧表示されます。今ではニューヨークシティマラソンのボランティアを募集していました。
【ボランティアの種類】
試しに9月にセントラルパークで行われる18マイルトレーニングのボランティア一覧を見て見ましょう。
このイベントで参加可能ボランティアは、
- Bag Check:マラソン開始前、終了後のバッグチェックとチェックアウトを行う
- Volunteer Leader:ボランティアの参加者のリーダーポジション。(こちらは事前に団体のリーダーシッププログラムを受ける必要があります。)
- Course Marshal:コースに立ちランナーと歩行者の安全確保
- Fluid Station:給水所での水やスポーツドリンクの配給
- Start/Finish:スタート/ゴール時のランナー誘導係
この他にももう少し専門的な経験を必要とするメディカルスタッフやバイクに乗って先頭グループの誘導などもあります。
定番で初心者の方にオススメなのが、Course Marshalだと思います。難しい役割ではなく、イベント中のコースの安全確保として注意を払っておくだけです。
それでもランナーが倒れた場合は、迅速に本部に報告し自分で救急車を呼びつけないといけないので、責任は重大です。
一度のイベントにボランティアは数百人集められますが、それでも早めの事前登録をしておかないとボランティア枠はどんどんなくなっていきます。
9+1プログラムという9回のレースと1回のボランティアを行うと翌年のニューヨークシティマラソンの参加資格が獲得できるシステムがあるため、多くのランナーが我先にとボランティア枠を確保しにきます。
【ボランティア集合時間】
当然のごとくボランティアはランナーが集まる前に準備を終えていなければなりません。そのためボランティアの集合時間は極めて早いです。
この18マイルのイベントでも集合時間は朝5時となっています。
解散もイベントが完了したのを確認してからです。このイベントだと昼12時が解散時間となっています。
ボランティア活動もランナー以上に半日ほどの時間がかかります。
イベント当日!ランニングボランティア活動の流れ
さあボランティア当日です。集合時間は6時半。私はマンハッタン郊外に住んでいるため、その日は朝4時30分に起床してセントラルパークへ向かいます。
服装は決まったルールはありません。ジーンズでも問題なく、その日の天候に合わせた格好をしましょう。
ちなみにボランティアに登録しておくと、イベント一週間ほど前にメールでリマインダーが届きます。事前に何処かでチェックインしないといけないということはなく、イベント当日のボランティアのテントがあるので、そこに立ち寄りましょう。
6時半前にテントにきましたが、すでに多くのボランティアがチェックイン済みでした。ボランティアは決められたベストを着用することになっています。帽子はボランティア参加者へのギブアウェイで着用は自由でしたが、多くの方が被っていました。(この日は天候が悪く雨模様だったので、レインポンチョも特別配布されました)
数名のボランティアがグループになって固まっています。これはボランティア別に集まっていて、ボランティアリーダーがのちにグループをそれぞれのボランティア場所へと導きます。
一応ボランティアのためにベーグルやコーヒーなどの軽食が準備されているので、朝食を抜いてやって来た方でも食事を取ることができます。
私の役目はコースマーシャル。7時過ぎにボランティアリーダーによってボランティアの説明を受け、その後自分たちが立っておくべきポイントへと連れて来られました。毎回どこのポイントかは当日にならないとわかりませんが、今回はスタート地点から1マイル手前の位置でした。
8時からマラソンスタートで、基本的な役割は1)気分を悪くしているランナーがいればケアしてあげる、2)ランナーとそれ以外の人たちの安全確保が主ですが、マラソン前にも公園を散歩している方から道を聞かれたり、今日のマラソンはどういったものか質問を受けたりと思いの外忙しかったです。
8時を過ぎたところでランナーがやって来ました。
結構コースをはみ出て走っているランナーがいるので、一般歩行者の方とぶつからないようにコース内へ入るように指示を出します。
スタート地点付近だったこともあり、30〜40分程度で全ランナーが過ぎていきました。これといって大きな問題はありませんでした。
最後尾を走っていた車から、「もうランナー来ないから本部に戻っていいよ」とのこと。戻っているとボランティアリーダーに再会し、グループみんなで本部に戻ります。
本来ならばレースが終わるまでボランティアを行うのですが、今回はスタート地点付近だったこともありかなり早めに終了。
最後はきちんとボランティアテントでチェックアウトして帰ります。このような流れでボランティアは行われます。
【まとめ】とても楽しいボランティアコミュニティ。ランニングとは一味違った達成感を味わえます
多くの方のNYRRボランティアの参加目的が翌年のニューヨークシティマラソンの参加資格ですが、それでも全員がボランティアを楽しんでいるように見えました。全員がランニングを愛している人たちなので、必然的に参加者同士が仲良くなって会話も弾みます。
ランニングだけでなくボランティアのコミュニティは暖かく人に接することができる機会で、本当に人の役に立てたと実感します。それが自分の好きなランニングだとなおさら嬉しいですよね。
コースマーシャルでコースに立っていると、何度もランナーからThank you!と声をかけられました。アメリカではボランティアはイベントを問題なく運営するにあたって重要な役割とされています。また大きなマラソンイベントではボランティアだけでなくNYPDも安全のために参加してくれているので、多くのランナーや大会運営者から感謝を述べられます。マラソンイベントは走る人とボランティアがお互い支え合っているスポーツなんだなと感じますね。
今まではコースマーシャルだけしか体験したことないですが、今後はメダルを配ってみたり、荷物チェックなどの色々なボランティアに挑戦していきたいです。