今年の9月からアメリカのキンダーガーデン(Kindergarten)に通い始めた長男。
私たちが住んでいるのはニューヨーク州のロングアイランドにある郊外の小さな町。
学校が始まったのは9月の第2週目。初めの4週間は、リモート授業と学校の登校が隔日、いわゆるハイブリッド授業でした。
家庭事情により、完全(週5日間)のリモート授業を選択することも可能です。
しかし、完全リモート(フルリモート)授業を選択した場合は、途中から対面授業に切り替えることは原則不可です。その逆も然りで、対面授業を選択していた生徒が完全リモートに切り替えるのも不可と言われています。もう少し柔軟性があっても良いのではと思いますが、みんな手探りでやっていることなので仕方ないとも言えます。
我が家は対面授業を選択したので、9月の後半からは週5回登校しています。息子のクラスではまだ感染者は出ていませんが、同じ学校内では一度先生と生徒が1人ずつ感染したようで、該当クラスのみ2週間の自主隔離となりました。
私が住んでいる町では公立の小学校は5校、中学校と高校はそれぞれ1校ですが、10月末現在で、20名の生徒と4名の職員がコロナの陽性反応が出ています。特に高校と中学校では感染者が多いようです。
陽性率が上がると、全ての授業がリモートに移行することになります。色々な不安はありますが、やはり子供には元気で学校に登校してもらいたいというのが正直な思いです。
前置きが長くなりましたが、今日は、アメリカの学校(息子が通うキンダーガーデン・エレメンタリースクール)のコロナ対策をご紹介します。
アメリカの学校のコロナ対策(息子の学校の場合)
毎日のヘルスチェック
- 毎日、子供の登校前にヘルスチェックフォーム(Health Check Form)の入力が必須
アプリ経由で、直近14日以内にコロナ感染の疑いがある症状がないか(熱がないか、喉の痛みはないか、咳はないか、鼻水はないかなど)という質問に答える必要があります。
(私立のプレスクールに通っている次男は、ヘルスチェックフォームの入力がない代わりに、毎日入室前に先生がおでこで検温をして、健康状態をチェックしてから入室となっています。)
また、咳・熱などの症状で学校を欠席した場合、コロナ(Covid 19)のPCR検査を行い、陰性を証明する書類を提出するように求められるようです。
もし鼻水だけなどの症状だった場合は、その旨を記載した医師からの登校許可証が必要となるようです。
教室の様子
- 個人の机の周りには、透明のプラスチックシールド
- マスクブレイク以外はマスクの着用必須
一人ずつデスクがあり、各デスクの周りには透明のプラスチックシールドが設けられています。
このシールドははもちろんコロナ対策で、昨年まではありませんでした。
学校では一日中、外で遊ぶ時(リセスの時間)もマスクの着用が義務付けられています。
もちろん先生もずっとマスク。息子の担任の先生は口元が見えるように、口の部分が透明なマスクを着用して下さっています。
長時間マスクをしているため、『マスクブレイク』も設けられているようです。
屋外で6フィート以上の十分な間隔をとって、わずかな時間ですがマスクをはずせる時間があるそうです。
逆にいうとその時とランチやスナックを食べている時間以外はずっとマスクなので、心地よいマスクを選ぶことがとても大切です。
ランチタイム
- 時間調整のため、息子たちのクラスのランチタイムは10時30分
- 長机の両端に着席
食事をする場所が限られているため(食堂と体育館を使用中)、息子は10時30分からランチタイムです。
その後、1時頃にスナックタイム。
コロナのため、他学年、他クラスの子供たちと交わらないようにさせるための措置とはいえ、まだ小さい子供にはあまり好ましくないタイムスケジュールです。
長机の端と端に1名ずつ座っているようです。原則会話はなし。
ちなみに、アメリカの学校ではランチは持参しても購入してもOK。
息子の学校では、ランチを購入することを『Buy Lunch』と言います。
幼稚園児(Kindergartner)でもBuy Lunchすることができます。
Buy Lunchとは?
- 食堂(Cafetorium)で朝食や昼食を買うこと
- 息子の学校ではランチの値段は2.75ドル
- メニューはピザやジャムパン、ベーグルなどにヨーグルトやミルク、ミニキャロットなど(日本の給食に比べると質素・・・)
- コロナにより困窮している家庭を支援するため、現在は朝食もランチも無償提供
リセス(休み時間)
- 学校全体、学年全体で校庭で遊ぶことはない
- クラスごとにリセスの時間が割り振られている
- 他のクラスが遊んでいたら、別の場所で遊ぶ
悪天候でない限り、外に出て遊具などで遊びます。
今年はコロナの影響で、クラスごとにリセスの時間も区切っているようです。
原則、Tag(鬼ごっこ)はタッチするので禁止と言われていましたが、毎日Tagをして遊んでいるようです・・・
他には、先生が教えてくれた下記のような遊びをよくしているようです。
- Red Light, Green Light, 1-2-3(One-Two-Three)
- What time is it, Mr. Fox?
- Mother, May I?
リモート授業支援
- キンダーガーデンと1年生には、全員にiPadが無料支給(レンタル)
- 2年生以上には、パソコンのクロームブックが無料支給(レンタル)
学校が始まって1ヶ月はハイブリッド(リモート授業と対面授業のミックス)だったこともあり、今年は全員にiPadやクロームブックが支給されました。
リモート授業では、支給されたものを使ってGoogle Meetにアクセスし、リモート授業を受けます。
また授業中、授業中以外にも学習用のアプリケーション(読書、計算、コーディング、色ぬりなど)を使って、勉強したり、宿題を提出することがあります。
スクールバス
- 換気のため窓を開けて運行
- 密集度を下げるため、運行本数は二倍増
- 自家用車での送迎が増えているため、カーライン(車を降りずに送迎できる仕組み)を導入
息子の学区ではスクールバスは、今年も運行しています。
しかし、今年は自家用車で送迎をしている家庭もかなり多いです。
学校が始まった当初は長い渋滞ができたり、学校周辺には路上駐車をするスペースがなくなるくらい混雑していました。
現在は、カーラインという仕組みが導入され、車を降りることなく送迎ができるようになりました。
学年ごとのアルファベット順に到着するようにスケジュールが組まれ、混雑が緩和されています。
まとめ
今日は、アメリカの学校(息子が通うキンダーガーデン・エレメンタリースクール)のコロナ対策をご紹介しました。
私が住んでいるニューヨークの郊外のロングアイランドにある小さな田舎町の一例ですが、少しでも参考になれば幸いです。
今年は地域の教育の責任者にとっても、先生方にとっても、それぞれの家庭にとっても、正解が見えない、先も見通せない、非常に難しいスクールイヤーです。
どんな家庭でも色々と不安と不満が募っているので、学校開始直後は『なぜ最初から完全週5日間登校させるというオプションがないだ!』と訴えるための決起集会(Rally)があり、学校が始まってしばらくすると『完全リモートを選択している子供にもっと充実した授業を!』と訴える決起集会がありました。
どちらの訴えも心が痛くなるようなものでした。
完全週5日の登校を訴える家庭には、シングルファザーの方もいて、自分が働かなくてはならない中で、小学生の子供が2人、リモート授業になってしまうと生活が立ち行かない。何十年も住んできたこの町を出て行きたくないのに、そうせざるを得なくなってしまうというものもありました。
リモート授業を選択している家庭では、子供や家族の疾患などによりコロナ感染のリスクを最小限に抑えなくてはいけないというやむを得ない事情でリモート授業を選択しているのに、教育側の立場の人から『リモート授業のオプションは望ましいオプションではない』と言われ、登校している生徒と同等レベルの教育を与えようという姿勢が見えないという訴えがありました。
先の見えない不安の多いコロナ禍で育っていく子供たちへの影響も常々感じざるを得ません。
ただただ願うことは、一刻も早く、コロナが流行する前の状況に近づいて欲しいということばかりです。